僕の腕の中で、プライドの高い君が悔しく僕を睨み上げる。
一枚、また一枚と服をむしり取っても、気丈に顎を上げたまま。
乱暴に触れても動じる気色を見せない君の気高さに、敬服とそれを凌ぐ劣情が沸く。
不本意なしかめ面を押さえ込んで、蛙みたいにシーツに潰れた君の中で、僕らの噛み合わない凸凹がゴツゴツと引きずり合う。
相容れない体を一心に均(なら)していれば、みるみる乱れていく髪の下で、低い吐息を殺せなくなった君は僕の腕に爪を立てて、ついにぬるく呻くと、プライドを脱ぎ捨てた背をもどかしくよじった。
体を震わせながら堕ちていく君を抱いて、獣に成り下がった僕も、得も言われぬ優越と悦楽に吠える。
汗に塗(まみ)れた尻を掻き回し、真っ赤な耳たぶを吸って、「アンタの家族に見せてやろう」と笑ってやれば、苦しくしなる腰が陥落する。
天を仰ぐ声は、悦びに濡れて、屈辱に苦悶している。
僕を拒絶するように締める肉を抉(えぐ)りながら、熱く緩んだ奥深くで射精する。
高潔な光が失せた目は、今にも溢(あふ)れてしまいそうな涙で甘く潤んでいた。


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